全国概況 — 令和7年(2025年)
総出火件数
40,783
前年比 ▲9.8%増加
火災による死者
1,414
前年比 ▼2.5%減少
火災による負傷者
5,949
前年比 ▲2.5%増加
1日平均出火件数
111.7件/日
約13分に1件
🤖AI解説 — 全体評価
令和7年(2025年)の全国出火件数は40,783件と前年比9.8%増加し、気象データとの統合解析では月平均気温(r=-0.79)・降水量(r=-0.73)との間に強い負の相関が確認されました。冬季(12・1・2月)の月平均出火件数は4,591件と夏季(2,586.33件)の約1.78倍に達し、寒冷・乾燥環境が火災リスクを大幅に高めることが統計的に裏付けられています。観測所別集計では22局(全51局の43.14%)に凍結日(0°C未満)が確認され、延べ589局日・局平均11.549日の凍結期間が存在します。(なお全国51観測所の単純平均気温では南北の観測所が平均化されるため凍結日はゼロとなりますが、実態とは異なります。)
気象リスク指標(merge_analyze.py 解析結果)
103
凍結発生日数(暦日)
1局以上が0°C未満だった日 / 年365日中(28.219%)
22
凍結日あり観測所数
全51局中 / 局平均11.549日
79
乾燥リスク日数
降水量0.5mm未満 / 全国平均
1.011x
乾燥日の出火リスク比
湿潤日比の推計出火密度
凍結日数 上位観測所(観測所別 0°C未満の日数)
観測所凍結日数年間最低気温
北海道(旭川)(旭川) 95日 -12°C
北海道(北見)(網走) 92日 -10.4°C
北海道(釧路)(釧路) 75日 -8.7°C
北海道(札幌)(札幌) 69日 -6.4°C
北海道(函館)(函館) 53日 -5.8°C
岩手(盛岡) 38日 -3.7°C
青森(青森) 35日 -3.5°C
山形(山形) 31日 -2.6°C

※「凍結発生日数(暦日)」= 51観測所のうち1局以上が0°C未満だった日の数。 全国平均気温で判定すると沖縄等の温暖な観測所が北海道の厳寒を相殺してゼロになるため、観測所別に個別集計している。

月別出火件数 × 気象データ

月別出火件数と月平均気温(51観測所平均)

月別降水量と出火件数

月別日照時間と季節指数

火災種別件数の割合

🤖AI解説 — 気象要因と出火件数の関係
気温との回帰分析(R²=0.63)によると、月平均気温が1℃低下するごとに出火件数は約89件増加する傾向があります。降水量との相関(r=-0.73)は「強い負の相関」であり、乾燥日(降水量0.5mm未満)が年間79日(21.644%)を占め、湿潤日比1.011倍の出火リスクを示しています。日照時間との相関(r=-0.5)は弱い相関であり、長日照による可燃物の乾燥促進が一部要因として考えられます。風速との相関(r=0.36)は弱い正の相関で、強風が延焼を拡大する影響を示唆しています。
気象条件別 推計出火リスク(merge_analyze.py)

気温帯別 推計出火件数/日 と相対リスク

降水量帯別 推計出火件数/日

日照時間帯別 推計出火件数/日

風速帯別 推計出火件数/日

※ 月次出火件数を月内均等配分した推計値。実際の日別変動は含まない(merge_analyze.py による解析)。

相関・回帰分析(月別 n=12)
ピアソン相関係数(出火件数 × 気象要素)
気温
-0.79
強い相関
降水量
-0.73
強い相関
日照時間
-0.5
中程度
風速
+0.36
弱い相関

|r|>0.7: 強い相関 / |r|>0.4: 中程度 / それ以下: 弱い ※ n=12、有意水準5%の目安は |r|>0.53

単回帰分析(fires = a × x + b)
気温 R² = 0.63(説明率 63%)
fires = -89.01 × temp + 4828.55
降水量 R² = 0.54(説明率 54%)
fires = -391.81 × precip + 4997.19
風速 R² = 0.13(説明率 13%)
fires = 1410.27 × wind + -773.47
日照時間 R² = 0.25(説明率 25%)
fires = -464.99 × sun + 6080.02
🤖AI解説 — 相関・回帰分析の解読
【相関係数の読み方】ピアソン相関係数は −1〜+1 の範囲をとり、|r| > 0.7 で強い相関、|r| > 0.4 で中程度の相関とみなします(サンプル数 n=12 ヶ月)。

【気温との相関 r = -0.79】強い負の相関が確認されました。気温が低いほど出火件数が増加する傾向を示しており、冬季の暖房器具使用増加・低湿度環境・乾燥した可燃物が複合的に影響しています。回帰式(fires = -89.01 × temp + 4828.55)のR² = 0.63 は、月平均気温だけで月別出火件数の変動の約63%を説明できることを意味します。

【降水量との相関 r = -0.73】強い負の相関です。月別データ(n=12)での相関は強いですが、merge_analyze.py による日別データ(n=365)では r = -0.229 と値が異なります。これは「月平均降水量」が月内の乾燥日・降雨日のばらつきを平滑化するためで、降水量の影響は日次データで評価するほうが実態に近いと考えられます。

【日照時間との相関 r = -0.5】日照時間は気温・降水量と逆相関する(晴れると乾燥しやすい)ため、出火件数との関係が単純な正・負どちらになるかは季節構造に依存します。日照が長い夏は気温が高くても出火が少なく、冬は日照が短くても出火が多いため、月別では負の相関(r = -0.5)が観察されています。

【風速との相関 r = 0.36】弱い正の相関(r = 0.36)は、強風が延焼を拡大するメカニズムと一致しますが、月別の平均化では影響が薄れます。林野火災の延焼では風速の影響がより顕著に現れると考えられます。

【n=12 の制約】月別データは12点しかないため、統計的な有意性の判断には注意が必要です。|r| > 0.53 が有意水準5%(両側)の目安(t分布、自由度10)ですが、気温(✓ 有意)・降水量(✓ 有意)として参考にしてください。
Key Findings — 自動抽出(7件)
F1 重要 季節性
出火ピーク: 12月(5,482件)/ 最少: 9月(2,437件)
冬季月平均4,591件は夏季2,586.33件の約1.78倍。暖房使用・大気乾燥が主因。
F2 重要 気温相関
月平均気温と出火件数に強い負の相関(r = -0.79)
気温1℃低下ごとに出火が約89件増加(R²=0.63)。
F3 重要 降水量相関
月平均降水量と出火件数の相関 r = -0.73
乾燥期に出火件数が増加する傾向。可燃物の乾燥・低湿度環境が火災リスクを高める。
F4 重要 林野火災急増
林野火災 前年比+65.3%(1043件 vs 前年631件)
春季の少雨・強風条件が延焼拡大に寄与。たき火(33.1%)・火入れ(17.2%)が主因。
F5 重要 電気機器火災急増
電気機器火災 前年比+25.7%(推計3240件)
リチウムイオン電池機器の普及・電気暖房器具の過熱が背景。建物火災の第2位原因(11.4%)。
F6 重要 高齢者の被害集中
死者1,414人の69.9%(988人)が65歳以上
住宅火災死者の75.3%が高齢者。逃げ遅れ(490人)が最多の死因。
F7 参考 凍結リスク
年間103日(28.219%)は国内いずれかの地点で0°C未満を記録
凍結日あり観測所: 22局 / 全51局(43.14%)。最多: 北海道(旭川) 95日(最低-12°C)。暖房器具フル稼働・低湿度の複合が冬季火災リスクを増大させる。
AI 詳細解説
🤖AI解説 — 林野火災の急増について
林野火災の65.3%増加(631→1,043件)は令和7年最大の異変です。主要原因のたき火(33.1%)・火入れ(17.2%)は、春季(3〜5月)の少雨・強風条件下での制御逸脱件数増加と一致しています。気象データでは春季の降水量が全観測所平均で低水準を示しており、乾燥ストレスが延焼リスクを増幅したと考えられます。林野火災は出火件数の2.6%にとどまりますが、1件あたりの焼損面積・CO₂排出・生態系損失は建物火災と比較できない規模になる可能性があります。
🤖AI解説 — 電気機器火災の急増について
電気機器火災(3,240件、前年比+25.7%)の急増は重大なトレンドシフトを示しています。建物火災出火原因の第2位(11.4%)となったこの急増の背景には、①リチウムイオン電池搭載機器(スマートフォン・電動自転車・モバイルバッテリー)の急速な普及、②電気暖房器具(電気ストーブ・電気毛布)の過負荷・過熱事故の増加、③太陽光パネルや蓄電システムの設置件数増加に伴う電気系統リスクの上昇、が考えられます。電気機器火災は就寝中に発生しやすく、発見遅延により重大な人的被害につながるリスクが高い点に注意が必要です。
🤖AI解説 — 高齢者の被害集中について
火災死者1,414人のうち65歳以上が988人(69.9%)を占め、日本の65歳以上人口比率(約29%)の約2.4倍の死亡集中率を示しています。住宅火災死者(放火自殺等除く)970人では75.3%が高齢者であり、そのうち730人が逃げ遅れ等により死亡しています。逃げ遅れ(490人、34.7%)が最多の死因ですが、独居高齢者世帯の増加・認知機能低下・夜間の発見遅れが複合的に作用しています。住宅火災死者が前年比5.8%減少したことは、住宅用火災警報器普及の成果ですが、依然として毎日2〜3人の高齢者が住宅火災で亡くなっている計算になります。
🤖AI解説 — 重点対策の推奨
統計解析の結果から導かれる重点対策として以下が推奨されます。【冬季集中対策】11月〜2月を「火災警戒強化期間」として、こんろ・電気機器・たばこ火災への重点的な広報・点検を実施する。【電気機器リスク対応】モバイルバッテリー・電動自転車の就寝中充電禁止の普及啓発と製品安全基準の強化を推進する。【林野火災の気象連動規制】春季の高乾燥リスク日(降水量予測・低湿度・強風)を基準とした焚き火・火入れの条件付き禁止制度の整備を検討する。【高齢者宅への重点支援】凍結リスク上位都道府県の独居高齢者世帯を優先対象に、住宅用スプリンクラー補助・スマート火災警報器の導入を推進する。
火災種別詳細
種別件数割合死者負傷者件数バー
建物火災 22,345 54.79% 1,171 4,940
林野火災 1,043 2.56% 7 91
車両火災 3,692 9.05% 87 257
船舶火災 78 0.19% 1 13
航空機火災 5 0.01% 0 1
その他火災 13,620 33.4% 148 647
前年比較(令和7年 vs 令和6年)
項目令和7年(速報)令和6年増減率
総出火件数40,783 37,141 ▲9.8%
建物火災22,345 20,972 ▲6.5%
うち住宅火災11,929 11,839 ▲0.8%
林野火災1,043 631 ▲65.3%
車両火災3,692 3,548 ▲4.1%
船舶火災78 62 ▲25.8%
航空機火災5 3 ▲66.7%
その他火災13,620 11,727 ▲16.1%
火災による死者1,414 1,451 ▼2.5%
住宅火災死者(放火自殺等除く)970 1,030 ▼5.8%
うち65歳以上高齢者730 809 ▼6.3%
火災による負傷者5,949 5,803 ▲2.5%
放火・放火の疑い合計4,041 3,904 ▲3.5%
うち放火2,392 2,377
うち放火の疑い1,649 1,527 ▲8%
たばこ(出火原因別)3,479 3,058 ▲13.8%
たき火(出火原因別)3,303 2,781 ▲18.8%
電気機器(出火原因別)3,240 2,577 ▲25.7%
都道府県別 年間気象サマリー(merge_analyze.py)
都道府県 年平均気温(℃) 年間総降水量(mm) 凍結日
0°C未満
乾燥日
0.5mm未満
猛暑日
25°C以上
複合リスク指数
寒冷×乾燥の重複日率
北海道(札幌) 11.094 1135.5 69 168 39 7.945%
北海道(函館) 11.267 1430.5 53 189 31 11.507%
北海道(旭川) 9.054 1246.5 95 176 28 15.068%
北海道(釧路) 8.742 1184 75 248 2 29.863%
北海道(北見) 9.313 909 92 246 21 30.685%
青森 12.387 1566 35 172 52 7.397%
岩手 12.267 1265 38 212 56 17.808%
宮城 14.672 1043.5 4 254 72 14.795%
秋田 13.486 2148.5 16 163 64 6.301%
山形 13.567 1154.5 31 212 73 12.877%
福島 14.882 965.5 7 246 82 12.603%
東京 17.369 1152.5 0 265 94 3.836%
茨城 15.832 1255 0 263 90 11.507%
栃木 15.736 1136.5 0 254 91 13.699%
群馬 16.568 793 0 272 94 11.233%
埼玉 16.996 937 0 266 95 7.945%
千葉 17.702 1168 0 268 100 0.822%
神奈川 17.625 1321.5 0 269 97 1.918%
新潟 15.179 2200 1 178 82 4.384%
山梨 16.334 857.5 0 269 91 13.151%
長野 13.596 835.5 31 233 77 18.904%
静岡 17.741 1545.5 0 259 100 4.384%
富山 15.895 2417.5 7 178 86 2.74%
石川 16.409 2765 0 172 94 0.822%
福井 16.148 2175.5 2 177 93 1.918%
岐阜 17.423 1895 0 249 100 6.301%
愛知 17.542 1306 0 258 105 7.671%
三重 17.474 1489.5 0 258 101 5.205%
滋賀 16.416 1432.5 1 227 97 5.205%
京都 17.56 1481.5 1 257 101 7.397%
大阪 18.247 1151 0 269 107 4.384%
兵庫 18.112 1076.5 0 273 110 4.932%
奈良 16.99 1099 0 255 97 8.767%
和歌山 18.014 1259.5 0 267 106 3.562%
鳥取 16.37 1823 1 210 91 2.74%
島根 16.672 1742.5 0 211 93 1.918%
岡山 17.036 837.5 3 277 103 10.137%
広島 17.52 1462 1 252 109 6.849%
山口 17.999 1692 0 250 109 3.288%
徳島 17.879 1210.5 0 258 108 4.384%
香川 17.981 767.5 0 272 109 6.575%
愛媛 17.803 1233.5 0 257 114 6.301%
高知 18.199 2142.5 0 257 116 5.753%
福岡 18.474 1541.5 0 244 121 3.836%
佐賀 18.332 1975 0 234 119 3.562%
長崎 13.798 2774 23 225 13 14.795%
熊本 18.216 1998 0 248 120 6.575%
大分 16.95 1451 3 245 111 9.863%
宮崎 18.78 2152.5 0 249 121 2.74%
鹿児島 19.581 2332.5 0 216 132 1.37%
沖縄 23.808 2165 0 191 165 0%

※ 複合リスク指数 = 気温5°C未満かつ降水量0.5mm未満の日の年間比率(暖房使用+低湿度が同時発生する日の割合)

🤖AI解説 — 都道府県別気象サマリーの読み方と火災リスク
【表の見方】この表は消防庁の観測所配置に対応した51観測所(北海道は4観測所)の令和7年(2025年)年間気象サマリーです。「複合リスク指数」は気温5°C未満かつ降水量0.5mm未満の日の割合で、暖房使用と乾燥の両リスクが重なる日の頻度を示しています。



【南北の気温較差】最も温暖な沖縄(年平均23.808°C)と最も寒冷な北海道(釧路)(年平均8.742°C)の差は15.07°C に達します。51観測所全体の年平均気温は16.14°Cです。



【凍結リスクが高い地域】凍結日数(0°C未満)の多い上位は 北海道(旭川)(95日)・北海道(北見)(92日)・北海道(釧路)(75日) です。これらの地域では暖房器具のフル稼働期間が長く、こんろ・電気ストーブ・電気毛布による火災リスクが全国平均と比べて高い水準にあると推定されます。凍結リスク上位局の最低気温は-12°C に達しており、厳冬期には暖房の消し忘れや過負荷による出火リスクが急増します。



【乾燥リスクが高い地域】降水量0.5mm未満の日が多い上位は 岡山(277日)・兵庫(273日)・群馬(272日) です。乾燥した気候は建物火災の延焼拡大・林野火災の発生を助長します。特に太平洋側の冬季は「晴れが続き・降水量が少なく・湿度が低い」という火災三条件が重なりやすいため注意が必要です。



【猛暑日リスクが高い地域】気温25°C以上の日が多い上位は 沖縄(165日)・鹿児島(132日)・福岡(121日) です。猛暑日は電気設備の過負荷や冷却装置の発火リスクを高めます。



【複合リスク上位地域】気温5°C未満かつ乾燥の複合リスク指数が高い上位は 北海道(北見)(30.685%)・北海道(釧路)(29.863%)・長野(18.904%) です。これらの地域では冬季に「暖房フル稼働×低湿度」が同時に発生する日が多く、建物火災リスクが構造的に高いと考えられます。消防署の予防査察・啓発活動の重点地域として優先的に対策を実施することが推奨されます。